「女性ホルモン」で肌が変わる!? 肌サイクルとスキンケア、ホルモンバランスの整え方

肌荒れに悩む女性が鏡を見つめる

生理前の憂鬱を加速させる、肌の不調を感じたことはありますか?女性の多くが生理前の不調として、肌荒れやニキビなどを抱えています。

そんな悩みを和らげるには、まずは不調を記録してパターンを把握しましょう。そして、肌サイクルに合わせたスキンケアに加えて、ホルモンバランスを整えることもポイントです。
いつもベストな肌を保つために、「女性ホルモンのリズム」を知ることからはじめましょう!

女性ホルモンのはたらき

時計とカレンダー

女性ホルモンって?

女性特有の体やサイクルを作り出す「女性ホルモン」は、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。
脳の視床下部の指令によって卵巣から分泌され、平均28日周期で分泌量は変化して、女性の体に様々な影響を与えます。

そんなホルモンのバランスが乱れると、生理不順など月経トラブル、自律 神経の乱れによる体調不良、PMS(月経前症候群)になってしまうことも。
PMSとは生理前の2週間に起きやすい不快な症状のことで、ホルモンバランスの急激な変化が原因であるといわれています。イライラや眠気などの心身の症状に加えて、肌の不調も起こりやすくなります。

エストロゲン(卵胞ホルモン)

生理後に増える「エストロゲン」は、妊娠に向けて卵胞を育て、子宮内膜を厚くします。 女性らしい体を作ることに加えて、骨の形成を促したり、抗酸化作用を高めるはたらきも。
脳や自律神経にも深く関り、感情のバランスを整える「セロトニン」を活性化させるホルモンです。 肌に対しては、肌内部のコラーゲンやヒアルロン酸、皮膚の水分量を増やしながら、30代後半から次第に分泌が減り、肌の老化が進みやすくなります。

そんな “美のホルモン” と呼ばれるエストロゲンですが、多いほどよい訳ではありません。過剰になると乳がんや子宮体がんのリスクが高まるため、 あくまで程よいバランスであることが大切です。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

生理前に急激に増える「プロゲステロン」は、受精卵を着床させるために子宮内膜を整え、妊娠を維持するはたらきがあります。
妊娠に備えて体温を高め、水分や栄養をためこむため、全身がむくみやすくなります、また、腸の収縮運動を抑えるはたらきがあるため、便秘になってしまうことも。肌に対しては、皮脂量を増やしたり、メラニンの合成を促しています。

そんなプロゲステロンも、少ないと不妊の原因になってしまうこともあります。

肌サイクルとスキンケアの秘訣

手に泡を乗せている写真

月経期

生理中はプロゲステロンの分泌が減り、エストロゲンが徐々に増えていきます。生理痛や貧血などの体調不良が気になりますが、肌の状態は徐々に上向きに。

体温が低くなるため、血行不良になりやすく、くすみやクマが気になる時期です。肌が敏感になって荒れてしまったり、皮脂が多くてニキビができることもあります。

やさしい洗顔と保湿ケアで、肌トラブルを防ぎましょう。とくに肌が敏感になりやすい人は、低刺激なスキンケアを心がけてくださいね。顔のマッサージなどで血行を促して、くすみを取り払うケアもおすすめです。

卵胞期

28日周期の場合、生理開始日の14日後までが目安です。
妊娠に向けた準備期間として、エストロゲンの量が増えて、女性の魅力が高まりやすい時期です。

排卵日に向けて、肌のコンディションは最高に。肌や髪のハリがアップして、みずみずしくうるおいます。むくみが少なく、顔色もよい状態です。

肌のバリア機能が強くはたらくため、安定した状態をキープ。ニキビや肌荒れにもなりにくいので、新しい化粧品を試すのにも向いています。

黄体期

28日周期の場合、排卵後(生理開始の15日後)から生理前の期間です。妊娠に備えてエストロゲンが減少して、プロゲステロンが増加します。

皮脂が増えることでニキビや肌荒れになりやすく、不安点な状態に。肌が敏感になって、日頃使っている化粧品がしみてしまうこともあります。
シミができやすいだけでなく、目の下のクマも目立ち、顔色が悪くなりやすい時期です。水分をためこむ作用があるため、顔や体もむくみやすくなります。

丁寧でやさしい洗顔や、十分な保湿を心がけて、皮脂トラブルを防ぎましょう。この時期に肌が敏感になる方が、低刺激なスキンケア製品を使うのもおすすめです。
食事のときには、皮脂の過剰につながる、脂質や糖質の多い食事は控えましょう。レバー、肉、魚介類などに含まれる、肌の代謝を助けるビタミンB群を意識して取ることも大切です。
この時期は便秘になりやすく、ニキビや肌荒れにもつながるため、ヨーグルトなどの乳酸菌も意識して取り入れましょう。

ホルモンバランスを整えるポイント6つ

室内の観葉植物

女性ホルモンは、ストレスや過労などのダメージでもバランスが乱れてしまいます。 日々の生活スタイルを整えることで、肌の不調を防ぎましょう。

女性ホルモンのバランスを整えるポイント

  • 良質な睡眠を取る
  • バランスのよい食生活を心がける
  • 適度な運動をする
  • ストレスをためすぎず、心と体を休める
  • ドキドキ、ワクワクを大切にする
  • 過剰なダイエットを避ける

とはいえ、仕事や家事、育児などに追われていると、難しいことも多くありますよね。
そんなときは、通勤や家事など日常の中でたくさん歩く、忙しい時の家事は簡単にするなど、無理なく続けられるように工夫しましょう。

さらに詳しい女性ホルモンのサイクルやバランスを知りたいときは、婦人体温計で基礎体温を測って調べることができますよ。また、生理が来ない、周期が乱れる、経血量の変化、つらい PMS や生理痛などは、病気のサインであることも。ホルモン量を調節する治療で改善することもあるため、必ず婦人科を受診しましょう。

肌サイクルを知って、ホルモンと上手なお付き合いを

笑顔で頬に触れる女性

肌の不調は、体質・アレルギー・生活習慣・紫外線のダメージをはじめ、 ホルモンバランスが関わることもあります。

肌トラブルが起きやすいなら、一度生理日やその内容を記録してみて。生理前によく起きるなら、ホルモンバランスが関わっているのかもしれません。とくに排卵後は肌の不調が起きやすいため、肌への強い刺激は避けるのがベター。

丁寧な洗顔や、十分なうるおい補給で、皮脂トラブルや肌荒れを防ぎましょう。ビタミンB群や乳酸菌を摂ったり、脂質や糖質の多い食事を控えることも大切です。 そして、生活習慣やストレスに気を配り、ホルモンバランスを整えるよう心がけましょう。

不調なときは無理をせず、リフレッシュしながら過ごしてくださいね。あなたの体に一番親身になれるのは、言うまでもなくあなた自身。ツラいときは肩の力を抜きながら、自分の体とこれからも付き合っていきましょう!